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【国文学科14】ゼミフィールドワーク(to福井県)

国文学科
 みなさん、こんにちは。
 国文学科教員の池田です。
 今回の目的地は、福井県越前市武生にある「紫ゆかりの館」と「紫式部公園」。
 あと、越前ランチです(笑)

 池田が担当するゼミでは、学生による演習発表形式で、『源氏物語』を輪読しています。
 使用しているテキストは、江戸時代後期に刊行された『源氏物語絵尽大意抄』(池田が現物を3冊所蔵)というもので、これは、数多くある『源氏物語』のテキストの中でも、半丁(和本のページの数え方)に、各1巻の場面絵と和歌を載せるという江戸時代においては画期的な梗概書でした。それを、186年後の読者として読み解いています。


 さて、今回は、日ごろの学びを実際に知見し体感すべくフィールドワークを実施しました。フィールドワーク先の武生は、紫式部の父、藤原為時の任国であり、父と共に20代の紫式部が約2年過ごした土地です。紫式部一行は、京都から3日かけて近江塩津へ、そこから2日、合計5日かけて武生まで下向しました。
 因みに、本学から武生までは高速道路を使用して約1時間で到着しました。

 大学が所有する公用車で昼前に出発し、来年2024年開通する北陸新幹線駅「越前たけふ駅」隣接の道の駅でランチ(辛子大根で食べる「越前そば」、ヨーロッパ軒の「ソースカツ丼」、「ボルガライス」などが有名)。「紫式部」グッズも販売され、盛り上がりを感じます。下記の写真は、B級グルメ「ボルガライス」。


 お腹を満たした後は、「紫式部公園」へ。ここは、貴族の邸を模して作られ、大きな池や中島、遣水などと釣り殿があります。そして、黄金に輝く紫式部像。その見つめる先には「日野山」(ゼミ生も式部と同じ日野山を見つめてみました(笑))

ここにかく 日野の杉むら 埋(うづ)む雪 小塩の松に 今日やまがへる
(『紫式部集』25番歌)

 

 公園に併設する「紫ゆかりの館」(こちらの館長は、本学に非常勤講師としてお招きして講義を担当していただいています三田村悦子先生です)では、無料展示を堪能しました。


 滋賀県は、紫式部が『源氏物語』を起筆したという伝説の石山寺があります。また、南には紫式部が住み、物語の舞台である京都府、北には紫式部が下向し過ごした福井県と、紫式部ゆかりの中心に位置する場所です。
 このような贅沢な環境で、じっくりと文学を学んでみませんか。