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【生涯学習講座のご報告】今年も活動弁士&ピアノ生演奏付で無声映画を上映しました!

公開講座
 昨年の10月23日(日)に、長浜市の余呉文化ホールで、活動弁士&ピアノ生演奏付の無声映画(二川文太郎(1925)『雄呂血』)公演を行いました。
 本公演は、本学も参画する「びわ湖東北部地域連携協議会」主催の生涯学習講座の1つとして、本学が企画・運営したもので、昨年に引き続き今年も開催することができました。



 公演は2部構成で、第1部では国文学科の河村悟郎先生が、「活動弁士から紐解く日本の映像文化」というテーマで30分間の講演を行いました。

 活動弁士とは、無声(サイレント)映画の上映中に、スクリーンの横に立って映画の解説をしたり役者のセリフを喋ったりする日本独自の職業で、20世紀前半の映画館には欠かせない存在でした。
 日本では、無声映画を活動弁士の声や楽士団の音楽演奏を付けて上映していたので、「無声」と言っているのに「無声」ではなかったのです。

 活動弁士は、映画に音が入るようになってからは衰退していきますが、草の根で生き残り続け、現在でも現役の活動弁士や楽士によって無声映画の上映会は続けられています。
 今年も、昨年に引き続き、無声映画や活動弁士の魅力を伝えようとしている無声映画振興会様にご依頼しました。
 ご興味のある方はぜひ無声映画振興会のホームページをのぞいて見てください。

 河村先生は、このような日本特有の「語りの文化」は日本の映像文化の重要な特徴だと捉え、歌舞伎や能といった日本の伝統芸能だけでなく、お笑いやアニメの声優といった日本の現代文化にも通じるものであると説明されました。
 ご参加いただいた皆様からも、アンケートを通じて日本の「映像文化」に関する多くのご意見が寄せられ、それぞれの方が身近に潜む「語りの文化」を考えるきっかけとなりました。


 第2部では、活動弁士の大森くみこ様と、無声映画振興会代表の鳥飼りょう様のピアノ演奏で、往年の時代劇スターの阪東妻三郎を主演に据えた二川文太郎監督の『雄呂血』という、時代劇映画(チャンバラ映画)を上映しました。
 大森様の抑揚たっぷりの魅力的な「声」に加え、鳥飼様の即興も交えたクライマックスシーンの「ピアノ」演奏は圧巻で、今年度も大盛況の上映会となりました。


 また、今年は河村先生のゼミの学生さんたちもスタッフとして参加し、当日の運営などのお手伝いをしてくれました。
 その他にもご協力をいただいた皆様に、この場をお借りして改めて感謝申し上げます。


 引き続きこのような素敵な企画を開催していきたいですね。