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【国文学科8】江戸時代の双六を体感!

国文学科
 みなさん、こんにちは。
 国文学科教員の池田です。

 私が担当するゼミでは、通称「源氏ゼミ」と言い、平安時代の作り物語『源氏物語』の解釈に挑んでいます。普段は、古語辞書を片手に、ゼミ生による研究発表を行っていますが、今回は江戸時代に流行った「源氏双六」を体感してみることに!



 「源氏双六」とは、『源氏物語』の巻名や人物名がマスになっている双六の総称です。
 その多くは、ふりだしや上りに「紫式部」の錦絵があり、源氏物語と紫式部が密接な関係として江戸時代に認識されていたことが分かります(今では、常識かもしれませんが)。
 今回体感したのは、早稲田大学図書館(九曜文庫)も所蔵する「源氏双六」を掛軸にしたもの(九曜文庫の目録では、「紫式部源氏物語双六」)。今回使用したものは、前の所蔵者が十数万円かけて軸装したようです。表装の柄が蝶とオシャレ(第24帖「胡蝶」の巻をイメージしたのか)。



 さて、賽の目は「ひ・か・る・け・む・し」の「飛び双六」です。ふりだしは紫式部、上りは光源氏。江戸時代の双六は、出た目のマスへ移動する「飛び双六」とマスに従って進む「廻り双六」(現代の双六と同じ)の2種類があります。



 慌ててサイコロを作ったので「む」を「ん」と書いてしまい、全く進めない学生が。古文では「む」(歴史的仮名遣い)と書いて「ん」(現代的仮名遣い)と発音しますね。基本的ミスを犯してしまいました。



 マス目は、上半分が巻名、下半分が人物名と盛り沢山。2年生は「変体かな」(漢字を崩したくずし字)を習熟し、「書誌学」(古典籍に関する学問)を学んでいるので、知識の確認も含めて、盛り上がりました。
 最短上がりは、20分!!



*本学には、小さなお茶室があり、源氏ゼミはここでゼミ活動を行っています。たまにお香を焚くこともあります。文学を追究したい仲間と一緒に、日本文化にも触れてみてください。