メッセージ
夜空に輝く星は、一つをじっくり眺めていても楽しいものです。しかし、星座という見取り図を使って眺めると、さらに面白く見えてきます。
学問も同じです。国文学科で学ぶ皆さんには、まず、一つの作品をじっくり考え、その星がどのような光で輝いているのか発見してほしいと思います。そのうえで、一つの作品と別のなにかとの間に関係を発見し、自分なりの星座を描くことも目指してください。一つの星を正確に捉える望遠鏡の目、星座を見つけるプラネタリウムの目、これら二つを共に鍛えていきましょう。
所属・専攻
所属:国文学科 講師
専攻分野:比較文学、日本近代文学
担当教科
基礎力プログラムⅠ(初年次教育)、基礎力プログラムⅡ、日本文学史、近現代文学講読Ⅱ、文学と地域、ジェンダーと文学、子どもと文学、基礎ゼミ、ゼミⅠ、ゼミⅡ
学歴
- 京都造形芸術大学芸術学部芸術文化学科 学士(芸術学)
- 京都造形芸術大学大学院芸術研究科芸術文化研究専攻修士課程 修士(学術)
- 大阪大学大学院文学研究科文化表現論専攻比較文学専門分野博士後期課程 博士(文学)
主な教育研究実績
<論文>
「≪報告≫類似を発見する力を鍛える 『イソップ寓話集』四百七十一話の多読から絵本を作る授業」(『滋賀文教短期大学紀要』26号、滋賀文教短期大学、2024年3月)
「張りつめて切れる、遡る 幸田露伴「幻談」(1938)について」(『京都芸術大学紀要 Genesis』27巻、京都芸術大学、2023年9月)
「動き出す彫像物語の系譜と芸術家小説の黎明 幸田露伴「風流佛」について」(『京都芸術大学紀要 Genesis』26巻、京都芸術大学、2022年9月)
「幸田露伴の少年文学「鐵の物語」初出の発見について 雑誌 『実業少年』掲載 「人類世界の主催者たる鐵の面白き研究」(署名・鐵隠) 」(『京都芸術大学紀要 Genesis』 24巻、京都芸術大学、2020年9月)
「幸田露伴「御手製未来記」(1911)における商業アイディア その文化史的・産業史的意義の一端について」(『比較文学』 62巻、日本比較文学会、2020年3月)
(博士学位申請論文)「ものをつくることを書く、ものをつくるひとを書く 幸田露伴について」(大阪大学博士学位申請論文(14401甲第20639号)、 2019年12月)
「大阪府大高専・3年次・国語における4つのキーワード「抽象」「具体」「類似」「差異」の実践」(『大阪府立大学工業高等専門学校研究紀要』52巻、大阪府立大学工業高等専門学校、2018年12月)
「坂口安吾「ラムネ氏のこと」における名詞 幸田露伴「文明の庫」「頼朝」、森鷗外「サフラン」との対比から」『京都造形芸術大学紀要 Genesis 』22巻、京都造形芸術大学、2018年11月)
「文学教育に創作文執筆を取り入れる試み、どのように「オチ」は小説を劇的にするのか? ギ・ド・モーパッサン「首飾り」('La Parure', 1884)をめぐる学生との議論を通じて」(『大阪府立大学工業高等専門学校研究紀要』51巻、大阪府立大学工業高等専門学校、2017年12月)
「幸田露伴の少年文学「鐡の物語」の英語典拠」(『京都造形芸術大学紀要』 21巻、京都造形芸術大学、 2017年11月)
「幸田露伴が描く陶器と記憶 「太郎坊」における盃をめぐって」(『待兼山論叢. 文学篇』 50巻、2016年12月)
「彫像師の悲恋物語と仏師の悲恋物語: 内田魯庵訳コンウェイ「彫像師」と幸田露伴「風流佛」」(『比較文学』54巻、日本比較文学会、2011年3月)
<発表>
「ファストフードへの夢 幸田露伴「供食会社」(1912)と「清潔」「簡易」な未来の食事」(日本比較文学会第85回全国大会、東京外国語大学、2023年6月)
「(書評対象者発表)幸田露伴「御手製未来記」(1911)における商業アイディア : その文化史的・産業史的意義の一端について」(日本比較文学会関西支部4月例会、オンライン開催、2021年4月)
「幸田露伴「御手製未来記」(「番茶会談」、一九一一)における「実業学」の構想 掲載媒体『実業少年』と読者、新発見の最終回と本作の「腹案」について」(樋口一葉研究会第29回大会、オンライン開催、2020年12月)
「明治末期・少年むけ未来記のリアリティ 幸田露伴「御手製未来記」(1911)における『実業少年』の欧米記事利用」(日本比較文学会第81回全国大会、北海道大学、2019年6月)
「幸田露伴「幻談」における固着、切断、創意工夫をめぐって」(2017年日本近代文学会関西支部秋季大会、近畿大学、2017年11月)
「坂口安吾「ラムネ氏のこと」の史的位置 幸田露伴「文明の庫」森鷗外「サフラン」との対比から」(2017年日本近代文学会春季大会、東京外国語大学、2017年5月)
「幸田露伴「幻談」と西洋の釣り文学の移入をめぐって」(2016年度大阪大学比較文学会シンポジウム「比較文学研究の諸相と文学における都市表象」、大阪大学2017年1月)
「露伴と水の螺旋構造」(「近代「神話学」の発展と「神話」概念拡大の思想的背景の解明」研究会、神戸大学、2015年12月)
「露伴とうずまき 「ねぢくり博士」を中心として」(第5回大阪大学・チュラーロンコーン大学・日本文学国際研究交流集会、大阪大学、2014年3月)
「方法としてのReview of Reviews 『新公論』における「雑誌之雑誌」欄の検討を中心に」(大阪大学比較文学会主催シンポジウム「世紀転換期における日英雑誌の相互交渉」、大阪大学、2013年6月)
「ポンティング日本滞在記にみる明治新興工芸への評価軸 錦光山、並河靖之をめぐる言及の検討を中心に」(日本学術振興会「頭脳循環を加速する若手研究者海外派遣プログラム」アジアをめぐる比較芸術・デザイン学研究─―日英間に広がる21世紀の地平─―研究報告集会、大阪大学、2013年2月)
「幸田露伴と北の海 実兄・郡司成忠の千島入植との関係を軸に」 (大阪大学比較文学会主催シンポジウム「世紀末転換期の日英における移動と衝突 諜報と教育を中心に」、大阪大学、2013年2月)
「雲の見方を習う三四郎 漱石、ラスキン、ボードレール」(大阪大学比較文学会主催シンポジウム「世紀末転換期における日英交流史の諸相」、大阪大学、2012年8月)
「『西国立志編』から露伴文芸を再考する ものつくりをいかに語るか」(日本比較文学会第47回関西支部大会、大阪大学、2011年11月)
「彫像師の悲恋と仏師の悲恋 内田魯庵訳コンウェイ「彫像師」と幸田露伴「風流佛」」(日本比較文学会第73回全国大会、九州産業大学、2011年6月)
“Western Artisan and Eastern Artist? : A Comparative Study of Two Artist’s Novels in Japan” , (International Conference on Japan-Thai Cross-Cultural Perspectives, Chulalongkorn University, Thailand, 2010年12月)
「江見水蔭『旅絵師』と紅葉「油画の女人は脱けじ」 明治二十年代前半、文学者と女性肖像」(日本比較文学会第46回関西支部大会、京都産業大学、2010年11月)
「明治22年、「動き出す彫像」の物語 露伴『風流仏』を巡って」(日本比較文学会第45回関西支部大会、立命館大学、2009年10月)
<その他>
日本学術振興会・科学研究費・若手研究「文学と商工業の結索点としての「実業小説」 『実業少年』と幸田露伴に注目して」(2022年4月~2025年3月、研究代表者)
校長顕彰・受賞 (大阪府立大学工業高等専門学校、2022年3月)
2019年度日本比較文学会・新人賞・受賞 (日本比較文学会、2021年6月)
優秀教員理事長表彰・受賞 (公立大学法人大阪府立大学、2018年8月)
第4回ブックショートアワード 大賞・受賞 (ショートショートフィルムフェスティバル&アジア 「名前って、ふたつ以上の鐘の音」(短編小説) 入江巽(筆名)、2018年6月)
社会活動等
- 第5回経営資質増進セミナー・講師 演題「「颯々と」の精神 福沢諭吉の明晰な言語について」(大阪公立大学工業高等専門学校・産学連携センター主催、2022年11月28日)
- 日本比較文学会関西支部・幹事(2020年6月~現在)
その他
上記は主な教育研究実績です。詳細は下記に掲載しています。