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へろへろのおすすめ本

へろへろのおすすめ本
図書館に時々出没するかえるのへろへろ。
住処は大学横の田んぼだという噂(田村山とも!?)。
ふらりとやってきては豆知識をつぶやくのが趣味なのだとか。
図書館公式キャラクターであるへろへろ隊長のもと、隊員である司書が本をおすすめしていく。
おすすめ本はカウンターにあります。
《 2018年度 》

2019.4

『くよくよしない力』

フジコ・ヘミング著/秀和システム
2018年発行/762.1 ヘ

 辛いことや悲しいことが起こった時、あなたはどうやって乗り越えますか?
 美味しいものを食べたり、思いっきり歌ったり、泣きたいだけ泣いたり、人それぞれたくさんの乗り越える方法があると思います。
 著者のフジコ・ヘミングさんは、今でこそ世界的に有名なピアニストですが、成功までに多くの苦難に直面してきました。学生時代にいじめられ、コンサート直前に聴力を失い、孤独で辛い無名時代を過ごしました。
 まるでドラマのように次々に襲ってくる苦難に、彼女はどうやって立ち向かったのでしょうか?

 著者のゲオルギー・ヘミング・イングリット・フジコさんは、スウェーデン人の父と日本人の母のもとベルリンで生まれ、5歳からピアノを始めました。東京芸術大学を卒業した後、29歳でベルリン音楽学校に留学し、偉大な指揮者やピアニストに認められます。しかし、ウィーンでのコンサート一週間前に風邪をひき、左耳の聴力を失います。元々中耳炎で右耳の聴力を失っていたこともあり、音楽家を志す者としてとてもつらい現実が彼女を打ちのめします。
 そんなどん底の経験から立ち上がり、素晴らしいピアニストとして活動する彼女の言葉をまとめたのがこの本です。

「相手に何かしてもらうのではなく愛情を注ぐ存在がいれば自分の不幸なんてたいしたことないと思えてくる」

 小さな頃から猫と共に育ち、いつも数匹の猫がそばにいる猫中心の暮らし。愛情を注ぎ面倒を見る存在のある暮らしの大切さを彼女は説きます。猫だけではなく、一度壊れたけれど修理して使っている椅子や、大切にしているグラス、長年愛用しているトランクなど、身の回りの物にも愛情深く接し大切にする生活のなかで、小さな喜びを見いだして生きる力にしていきます。
 考え方、捉え方ひとつで世界はかわる。自分を枠にはめてしまわず、心を自由にすることで、どんな困難にも立ち向かうことができる。
 彼女のそんな考え方や生き方は、彼女自身が色々な経験を経て身につけてきた術です。くよくよせず明るく前向きに。
 辛いことがあった時、立ち上がれないと思った時、彼女の言葉を思い出してみるのもいいかもしれません。

(へろへろ隊員 やまだ)