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【生涯学習講座のご報告】活動弁士&ピアノ生演奏付で無声映画を上映しました!

公開講座
 11月14日(日)に、長浜市のセミナー&カルチャーセンター臨湖で、活動弁士&ピアノ生演奏付の無声映画(小津安二郎(1932)『生れてはみたけれど』)公演を行いました。
 本公演は、本学も参画する「びわ湖東北部地域連携協議会」主催の生涯学習講座の1つとして、本学が企画・運営したものです。

活動弁士表 活動弁士裏

 
 公演は2部構成で、第1部では国文学科の河村悟郎先生が、「活動弁士から紐解く日本の口頭性」というテーマで30分間の講演を行いました。

 活動弁士とは、無声(サイレント)映画の上映中に、スクリーンの横に立って映画の解説をしたり役者のセリフを喋ったりする日本独自の職業で、20世紀前半の映画館には欠かせない存在でした。
 日本では、無声映画を活動弁士の声や楽士団の音楽演奏を付けて上映していたので、「無声」と言っているのに「無声」ではなかったのです。

 活動弁士は、映画に音が入るようになってからは衰退していきますが、草の根で生き残り続け、現在でも現役の活動弁士や楽士によって無声映画の上映会は続けられています。
 今回、公演を依頼したのも、無声映画や活動弁士の魅力を伝えようとしている無声映画振興会様で、ご興味のある方はぜひ無声映画振興会のホームページをのぞいて見てください。

 河村先生は、このような日本特有の「語りの文化」を「口頭性」と呼び、歌舞伎や能といった日本の伝統芸能だけでなく、お笑いやアニメの声優といった日本の現代文化にも通じるものであると説明されました。
 ご参加いただいた皆様からも、アンケートを通じてこの「口頭性」に関する多くのご意見が寄せられ、それぞれの方が身近な文化に潜む「口頭性」を考えるきっかけとなりました。


 
活動弁士ブログ用

 
 第2部では、活動弁士の大森くみこ様と、無声映画振興会代表の鳥飼りょう様のピアノ演奏で、世界的な巨匠、小津安二郎監督の『生れてはみたけれど』という、小学生の子供たちが主役の喜劇映画(コメディ映画)を上映しました。

 大森様の変幻自在の「声」と、鳥飼様の即興も交えた素敵な「ピアノ」は圧巻で、大盛況の上映会となりました。
 コロナ禍という社会情勢に加えて、長浜市には映画館がないので、ご参加いただいた皆様におかれましては、久しぶりの「映画体験」になったのではないでしょうか。
 大森様と鳥飼様のお二人には、この場をお借りして改めて感謝申し上げます。


活動弁士


 また長浜に活動弁士がやって来るのを心待ちにしております。

※河村先生の講演に興味を持たれた方は、下記のURLより他の講座についても映像でご視聴いただけます。