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文教SMILEブログ

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【国文学科9】基礎力プログラムⅠ

授業風景
こんにちは、国文学科教員の神谷です。
今回は、基礎力プログラムⅠの授業の一コマをご紹介します。

基礎力プログラムは本学独自の科目で、大学生として必要な力を1年生春学期から2年生秋学期まで2年間かけて積み上げていく授業です。
1年生春学期の基礎力プログラムⅠはノートの取り方や情報の調べ方、ディスカッションやプレゼンテーションなど、基礎的な力を身につけていきます。

今回はプレゼンテーション能力を身につける授業の第一回目、通常ならばプレゼンのやり方について教員が説明するところでしょうが、ちょっと趣向を変えて3人の先生方がプレゼンテーションを実践しました。学生の皆さんには3種類のお手本を見てもらったわけです。

3人の先生方は、近代日本の名作短編を取り上げて発表しました。
国文学科では入学前の学習のひとつとして、ブックリストを配布し読書課題を課しています。特に5作品は必読書として必ず読んでおくこととしています。

今回のプレゼンテーションは、入学前課題である必読作品を取り上げ、それぞれの先生方の視点から、「この作品はこんなふうに読める」「この作品はこのような角度からも扱うことができる」というものです。
単なる楽しみのための読書でも、唯一の正解を導き出すための読書でもない、しっかりとした根拠に基づきながらも「こんな読み方ができるのか!」と唸るような「読み」「解釈」の紹介です。

トップバッターは細田あかね先生による志賀直哉「小僧の神様」のプレゼンテーションです。細田先生は「〈作者〉は神様ではない」といい、作者の言葉を読者が読むという行為のなかに小説の意味が作り出されるのだと話されました。
高校までの唯一の正解の追求ではない、とても自由な「読み」が示されました。

  

2番手は池田大輔先生の森鴎外「高瀬舟」。中学・高校の国語では「高瀬舟」のテーマ、つまり作者森鴎外が言いたかったことはこれだ、というように示されるが、作品を作者から切り離してその作品をどのように分析するのかが大切だということを最新の研究を紹介しながら発表されました。

  

最後は河村悟郎先生の芥川龍之介「藪の中」「羅生門」の発表です。河村先生は細田先生、池田先生とはまた違い、このふたつの小説と黒澤明監督の映画『羅生門』を取り上げながら、日本文化におけるモラル(道徳)といった日本文化論・日本人論にまで広げていくというプレゼンを行われました。

    

今回の授業はとても欲張った企画でしたが、私も大変面白く拝聴しました。
学生の皆さんには難しい言葉も多かったかもしれません。しかし、教員によるプレゼンテーションを目の当たりにし、
これまでとは違った「読み」を実際に体験したことで、今後の学びを進めていく上で大きな糧となったのではと思います。
学生の皆さんはこれからプレゼンテーションに取り組んでいくわけですが、その成果を楽しみにしています。