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へろへろのおすすめ本

へろへろのおすすめ本
図書館に時々出没するかえるのへろへろ。
住処は大学横の田んぼだという噂(田村山とも!?)。
ふらりとやってきては豆知識をつぶやくのが趣味なのだとか。
へろへろ隊長のもと、隊員である司書が本をおすすめしていく。
《 2016年度 》

2016.4

『「めんどくさい」をやめました』

やましたひでこ著/祥伝社
2015年発行/159 ヤ


 今回おすすめする本はやましたひでこさんの『「めんどくさい」をやめました』です。なんともインパクトのあるタイトルですね。
 ところで「断捨離」という言葉を聞いたことはありますか?ここ最近の部屋のお片づけブームで一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。断捨離とは「必要のないものを断ち、捨てて、執着することから離れる」という意味をあらわす整理法の一つとして世の中に浸透しています。著者のやましたひでこさんは「断捨離」の提唱者で、テレビや雑誌、数々のメディアで話題沸騰中の方です。
 そんなやましたひでこさん、なんと「さあ、言葉も片づけてみようか!」とのこと。言葉を片づけるってどういうこと?と思ったのですが、本書を読むと目からウロコなことばかりでした。タイトルにある「めんどくさい」以外にも普段何気なく使う言葉一つ一つから捉えられる心の状態をひも解き、著者ならではの視点で言葉までもがお片づけされています。
 本文にこんなことが書かれています。
 「家よりも、もっと身近で大きな影響を受けるもの。それは言葉。だから、言葉をないがしろにしてはならない。そう、言葉を意識的に選択し選び抜くことによって、モノと同じように片付けることは出来るはずなのです。」
 日常生活を送る上で、例えば誰かに「ありがとう」と言うと自分まで和やかな気持ちになったり、「めんどくさい」も口にするとどこか投げやりな気分になって気持ちが落ち込んでしまったり、そんな経験はありませんか。言葉っていい意味でも悪い意味でも結構侮れないですよね。
 これから新年度が始まり、気持ち新たになる時期です。口にする言葉からも前向きに様々なことに取り組んでいきたいですね。そして折に触れて本書を読んで、一つ一つの言葉に潜む自分の心の状態を振り返ってみてはいかがでしょうか。
(へろへろ隊員 かわむら)

2016.5

『図書館ラクダがやってくる-子どもたちに本をとどける世界の活動-』

マーグリート・ルアーズ著,斎藤規訳
さ・え・ら書房/2010年発行/015.5 ル


 「図書館」という言葉は、大抵の人が知っていると思います。
 「図書館」は、「本のあるところ」ということももちろん知っていると思います。
 「図書館」には「公共図書館」や「学校図書館」「大学図書館」「専門図書館」などなど、色々な種類の図書館があることは…、ちょっと知っている人が減りましたね。  では、「図書館」には「移動図書館」があることは、どれくらいの人が知っているのでしょうか?

 「移動図書館」は、車などで本や職員を運び、貸出やレファレンスといった図書館サービスを図書館から離れた地域の人たち所へ行って行うサービスの一つです。日本ではリヤカーや馬車、自転車など利用されていたこともあったようですが、現在はおおむね車でのサービスとなっています。そんな「移動図書館」ですが、世界には様々な方法であちこちへ移動し、人々に本を提供する図書館があります。
 今回のおすすめ本は、そんな世界各地の面白い「移動図書館」をたくさんの写真とわかりやすい文章で紹介している『図書館ラクダがやってくる:子どもたちに本をとどける世界の活動』です。
 例えばインドネシア共和国。多くの島々で成り立っているインドネシアは世界最大の群島で、スマトラ島やボルネオ島などを初め、17,500以上の島があります。そういった環境なので、インドネシアには7つの水上図書館があり、村々に本の入った箱を置いて移動していきます。また、インドネシア第二の都市スラバヤ市では、自転車図書館が毎日街を巡回して本を届けているのだとか。
 イングランドでは手押し車で巡回し、ケニア共和国ではラクダの背中にくくりつけて移動します。パプア・ニューギニア独立国では、トラック移動の後、なんと!徒歩で本を運びます。
 世界の各地で、色んな方法で本が運ばれていますが、いずれも共通しているのが、それらの本を待ちわびている読者がいて、そのためにがんばっている図書館員がいるということです。この本に掲載されている写真は、どれもそんな喜びに溢れた笑顔と、一心不乱に読書する人々の姿を写し出しています。

 4月30日の図書館記念日に続き、5月1日~31日は図書館振興の月です。どちらも日本図書館協会で制定された記念日・月です。
 この本を通して、今一度、読書の喜びに触れてみてください。
(へろへろ隊員 やまだ)

2016.6

『ペンギンのしらべかた』(岩波科学ライブラリー)

上田一生著/岩波書店/2011年発行/488.66 ウ

 「ペンギンを知らない人はいない。」そういってこの本の書き出しがはじまります。
 たしかにペンギンを知らない人はいないでしょう。小さい頃に水族館に両親に連れて行ってもらったり、テレビでペンギンを見たりなどペンギンを知る機会は多くあります。

 ではペンギンって実は鳥類だって知っていましたか?
 鳥類は約9700種いるといわれています。ペンギンはその鳥類の中に属しています。しかしペンギンは鳥類なのに空を飛べません。逃走や移動に有利な飛翔力をペンギンは捨て、海中での捕食を選択しました。そうだとするなら、走鳥類のダチョウのようにずば抜けた走力があるのでしょうか?水族館のペンギンコーナーを思い出してください。ペンギンはヨチヨチトコトコとゆっくり歩きます。そうです、走力なんてありません。さらにペンギンには、人間に一撃で致命傷を与えられるような毒などの武器も持っていません。またペンギンは一ヶ月何も食べなくても生きていけます。見た目の可愛さに反して意外と強い子、それがペンギンです。
 「飛ばない」「怖くない」「弱くない」という「三ない」を持っているのがペンギンです。
 ですから、もしペンギンに遭遇する機会があるなら、「数人でゆっくり囲み、抱きついてとり押さえる」ことで簡単にペンギンを小脇に抱えることができます。

 以上に紹介したのはこの本に載っているほんの一部です。ペンギンの生態を、その「捕まえかた」「泳ぎかた」「食べかた」「見分けかた」などたくさんの研究手法の観点から紹介した本。堅苦しいペンギン解説書ではなく、かといって単に「ペンギン可愛い」といった視点で書いている訳でもなく、本当にペンギンという生物を愛している著者だからこその紹介の仕方で、楽しめる一冊です。ペンギン好きにも、そうじゃない方にも楽しんで読むことができる新しいペンギン学の入門書です。ぜひ手にとって読んでみてください。
(へろへろ隊員 あさい)

2016.7

『宵山万華鏡』

森見登美彦著/集英社/2009年発行/913.6 モ

 夏には、近所の神社のお祭りから観光客がたくさん集まる大きなお祭りまで、たくさんのお祭りがあります。そして夏のお祭りには、夜店、盆踊り、花火など夜の祭りがつきものです。このような夏のお祭りの中でも京都の祇園祭は最も有名なお祭りの一つです。京都の町のど真ん中、広範囲にわたって32の山と鉾が立てられ、独特のお囃子が響きます。この一ヶ月に亘るお祭りのクライマックスは昼間の山鉾巡行ですが、その前日の夜が宵山です。
 夜空に山鉾の駒形提灯が浮かび上がり、昼に見ると何でもない露店も、夜の闇の中で橙色の電灯の光に照らされるとまるで魔法にかけられたように、妖しく魅力的な雰囲気を醸し出します。そして、多くの人が集まるにぎやかな通りの周辺には古い京都の家並みが続く闇が広がっています。
 この作品の舞台はこの祇園祭の宵山です。赤い浴衣を着た不思議な少女の集団についていきそうになるバレエの練習帰りの少女、15年前の宵山で行方不明になった幼い娘をその不思議な少女たちのなかにみる画家、学生時代の友人に誘われて祭り見物に来てとんでもない体験をするサラリーマン、宵山から抜けられず毎日宵山を繰り返す画廊の若い男の話など、この本には6つの短編が収められています。それぞれの短編には、6つを通して同じ人物があちこちに登場します。そして、全編を通じて、宵山の雑踏の中を、赤い浴衣を着た少女の集団がまるで水槽の中を泳ぐ金魚のようにすいすいと動き回っています。それは、中にある同じパーツが回転させるたびに違った景色を見せてくれる万華鏡そのものです。そして、主人公のある者はその宵山から現実にもどり、ある者は非現実の世界にとどまります。
 宵山という独特の雰囲気の中で繰り広げられる、夢と現(うつつ)とその境にある物語をどうぞお楽しみください。
 あなたは、この万華鏡のどの景色がお気に入るでしょうか。
(へろへろ隊員 ひらい)

2016.8

『ばらばら』

星野源し・うた,平野太呂しゃしん
リトルモア/2007年発行/911.56 ホ


 詩集?写真集?それとも音楽CD?
 星野源による詩がメインとも言えるし、平野太呂による写真がメインとも言える。アコースティックギター演奏で収録されている歌(CDに収録)がメインでもいい。「読む」というよりは、「見る」。「眺め」て「聴い」て、詩を口ずさむ。なんとなく一緒に過ごしたくなる本。それが今回お薦めの一冊『ばらばら』(CD付き)です。

 白を基調としたシンプルな表紙に魅せられてページをひらけば、ノスタルジックでレトロな写真が目の前に広がっていきます。ページごとに少しずつつぶやかれる言葉は、けれど写真に添えているわけではなくて、あとがきでも語られているように、それぞれが独立していて「ばらばら」のもの。「言葉」も「写真」も、それぞれ自分の感性で語られていて、そんなふたつを合わせたら不思議に心地よい化学反応が起こって出来上がった不思議な本。
 この本ができた元々のきっかけは、以前に星野源が手作り弾き語りCD「ばかのうた」を作成したことによるものだそうです。本書のCDにも収録されている「ばかのうた」はそのCDからの再録です。
 CDに収録されているのは、アコースティックギターのなんとも言えない優しい音色と、ちょっとかすれたような声が心地よい曲ばかりです。本を眺めながら聴いていると、心が違う世界を旅しているように感じます。

 慌ただしい日々の中、たまにはゆったりと音楽に耳を傾け、言葉と写真に癒されてみるのもいいかもしれません。
(へろへろ隊員 やまだ)

2016.9

『ニッポンのマンガ*アニメ*ゲームfrom 1989』

メディア・アート国際化推進委員会編
国書刊行会/2015年発行/726.1メ


 先日まで開催されていたリオオリンピックでは、日本は史上最多となる41個のメダルを獲得。体操男子団体の悲願の金メダルや、男子400メートルリレーの炎の銀メダルなど、日本中に多くの感動と興奮を届けました。
 言うまでもなく、次回は2020年東京オリンピック。着物姿で登場した小池百合子東京都知事からスタートした東京オリンピックのプレゼンテーション。この日のためにアレンジされた「君が代」が流れる中、真っ赤な競技場が徐々に日の丸に変化し、世界中の様々な言語で「ありがとう」と表示されました。この「ありがとう」には、東日本大震災で世界の人々からの支援、東京を開催都市として選んだこと、リオデジャネイロで素晴らしい大会を開催してくれたことという3つの感謝の気持ちが込められているようです。
 そんな中、一際目を引いたのは「安倍マリオ」といわれる日本的なアニメーションを駆使した演出でした。スーパーマリオ、パックマン、ドラえもんにキャプテン翼。日本が生んだ世界的なキャラクターが画面を駆け巡り、最終的には安倍晋三内閣総理大臣がマリオに扮して会場に登場し、世界中から高い評価を受けました。

 そんな日本のマンガ、アニメ、ゲームが世界中の関心を集め、世界中に多くのファンを持つことは今更言うまでもありませんが、今回オススメする本は『ニッポンのマンガ*アニメ*ゲームfrom 1989』です。
 本書は2015年に国立新美術館で開催された「ニッポンのマンガ*アニメ*ゲーム」展の展示会書籍として刊行されました。
 手塚治虫が亡くなった1989年以降から現在までのおよそ25年間に焦点をあて、時代を象徴する作品の解説、年表などで構成される書籍です。「日本のCGアニメーションは、なぜ独特なのか?」「『STAND BY MEドラえもん』のヒットをどう考えるか?」など興味深い論述がたくさん書かれています。
 日本のサブカルチャーのひとつであるアニメ・マンガ・ゲームについて知識を深めておくと、2020年の来る東京オリンピックを見る目が少し違ってくるかもしれません。ぜひこの機会に手に取ってみてください。
(へろへろ隊員 あさい)

2016.10

『食べているのは生きものだ』

森枝卓士文・写真/福音館書店/2014年発行/383.8 モ

 私たちの生活は昔に比べて随分と分業化され、便利になりました。
 お店に行けば、調理済みの肉や魚、野菜などが売ってあり、服でも鞄でもなんでも買うことができます。消費する側の私たちは、買うだけでいいのです。
 動物のお肉は、血が抜かれ、カットされ、綺麗な状態で売られています。魚も、丸ごと売っているものもありますが、内蔵など抜かれています。本革の製品は、なめされ、加工され、すぐに身につけることができます。
 買うだけの私たちは普段あまり意識しませんが、私たちの体内に入り、身体を維持してくれている食べものは、ほとんど全て、元々生きているものです。動物も植物も、全て元々は生きていたものなのです。
 そんな生きていた食べものについて、著者が世界各国を巡り、写真を中心に紹介しているのが今回おすすめの『食べているのは生きものだ』です。

 著者が、外国を旅したり、生活しているうちに強く感じるようになった「食べているのは生きものなのだ」という感覚。それは、本書からとても強く伝わってきます。
 例えば、モンゴルの人々。焼けた石で蒸し焼きにした肉を皆でおいしそうに食べています。その背後には、羊やヤギの群れ。彼らは、夏の間は、羊やヤギのミルクでチーズやヨーグルトを作り、冬や、大切なお客さんが来た時にはその肉を食べます。モンゴルの草原にお店はありません。彼らは自分たちで動物を育て、自分たちの動物の命を絶ち、食べることができる状態にします。
 ラオスやタイでは、簡単に調理でき、栄養価の高い虫を食べます。スペインでは、挽いた豚肉を豚の腸に詰めてソーセージを作ります。日本の例としては、長浜市でイノシシを食べている、ということで写真が載っています。
私たち消費者にはなかなか見えませんが、そうやってきちんと食べる状態にしてくれる人たちがいて、私たちは生きものを食べることができるのです。

 食べているもので、生きものではないのは塩だけだ。と、著者が最後に書いています。私たちの口に入るものは全て生きものでできています。生きものを食べるということは、生きものの命を絶っているということです。
 普段中々意識できないことですが、ぜひ、命をいただいているのだ、ということを感じてみてください。
(へろへろ隊員 やまだ)

2016.11

『ええほん 滋賀の方言手控え帖』

中山敬一著/サンライズ出版/2012年発行/818.61 ナ

 滋賀県内は一般的に琵琶湖を挟んで次の4地方に区分されます。湖東、湖西、湖南、湖北です。京都に隣接する湖南は必然的に京都弁色が強く、湖東や湖西に行くにつれその色は薄くなり、京都から最も離れた湖北では音声・語法ともに独特の方言圏を形成しています。湖南のうち、三重県と接する甲賀地方は、伊賀弁との共通点が見られるなど、他の湖南とは違っています。また、湖東と湖北では美濃弁、湖西では若狭弁との共通点が見られています。
 滋賀県の方言は、京都弁そのものに比べると田舎風あるいは荒っぽい方言とされることが多く、滋賀県民にもそういった意識が強いのですが、「自分達の方言にそれほど愛着はないが、恥ずかしいとも思わない」という傾向が多く見られています。

 学生時代、彦根から滋賀文教短期大学に通っていた私は、長浜出身の友人との会話で「きゃんす」「ごんす」などの意味が分からないことが多々ありました。調べてみると湖北地方、特に長浜市にてよく使われる助動詞「んす」「やんす」らしく、これらが先に述べた通りの湖北特有の方言でした。

 今回おすすめする本は、滋賀県の方言約230語の意味と使用例を収録した『ええほん 滋賀の方言手控え帖』です。「きゃんす」「ごんす」はもちろん、方言で語る日本の古典文学など、四コママンガを交えながら分かり易く解説。滋賀県民はもちろん、他府県民も楽しめる本です。

 「ごがわく」「もうすってん」「りんちょく」「ぶえんしゃ」「すいっとする」など、この方言の意味が分かりますか?
 意味を知っている人も、意味が検討もつかない人も一度この本を手に取って意味を確認してみてください。そこにはあなたが想像もつかないようなおもしろい意味が載っているかもしれません。
(へろへろ隊員 あさい)

2016.12

『オー・ヘンリー傑作選』(岩波文庫)

オー・ヘンリー著, 大津栄一郎訳
岩波書店/1979年発行/933.7 へ


 ニューヨークの片隅で貧しい生活をおくる若い夫婦。その妻は、クリスマスの前日、夫へのクリスマスプレゼントのために、唯一自慢のできる宝物である美しい長い髪を売って夫へのプレゼントを買う。そのプレゼントは、夫が持つ唯一の宝物、金の懐中時計のための鎖だった。そして、夫もまた、妻へのクリスマスプレゼントを買うために、その大切な金時計を売ってお金を作る。夫が買い求めたのは、妻の美しい髪のためのべっ甲の櫛だった。
 この作品のタイトルは『賢者の贈りもの』。クリスマスの物語として、どこかで聞いたことのある人も多いのではないでしょうか。作者はオー・ヘンリーという100年くらい前のアメリカの作家です。この作家にはもう一つ、多くの人が知っている有名な作品があります。それは『最後の一葉』。英語の教科書に採用されていたこともある作品です。
 ニューヨークの売れない画家たちが集まる一画に住む若い女性画家の卵が、秋の終わりに重い肺炎に罹る。すっかり気が弱くなり、生きる気力を失った彼女は、窓から見える蔦の葉が秋風で落ちるのを見ながら、自分の命もこの蔦の最後の一葉が落ちた時に尽きるのだと思い込んでいた。しかし、激しい雨風が吹き荒れた一夜の後、たった一枚残された葉を見つけ、その葉がいつまでも落ちないのを見ながら、生きる気力を取り戻していく。実は、その葉は階下に住む売れない老画家がこの女性のことを知って、嵐の晩に描いたものだった。そして、その老画家は、それがもとで肺炎をおこして死んでしまう。
 オー・ヘンリーは短編の名手といわれ、生涯に272篇の短編を残しました。この本には、その中の傑作20篇が収められています。各篇 10頁程度で読みやすいので、いくつかでも読んでみてください。
 『賢者の贈りもの』は絵本にもなっています。本学の図書館には、リスベート・ツヴェルガー絵 矢川澄子訳のとてもきれいな絵本があります。こちらの方もぜひ手に取ってみてください。
(へろへろ隊員 ひらい)

2017.1

『うめぼし』

石橋國男指導, 辰巳芳子料理, 山本明義撮影
フレーベル館/2007年発行/596.3 イ


 冬になると、インフルエンザや風邪が大流行します。
 元気な時は大丈夫だけど、疲れていたり、免疫力が落ちていたりするとたちまち感染してしまい、高熱や頭痛、悪寒などに悩まされます。
 そんな時、私はいつも梅干しを食べます。
 梅干を使った治療は古くからある民間療法で、私が子どもの頃からその力に助けられてきました。
 発熱や悪寒がする時は梅番茶、頭痛がする時はこめかみに梅干湿布、胃腸が不調な時は梅干しおかゆ。風邪の時だけではなく、夏はお弁当に梅干しを入れたり、ご飯と一緒に炊くことによって、食中毒を防いでくれますし、身体が疲れている時は必要なアルカリ成分を梅干しで補います。梅干しとは違いますが、梅を煮詰めてつくる梅肉エキスは、アレルギーに効くともいいます。
 梅は、日本人にとって、とても身近な万能薬なのです。

 そんな梅干しについて、とても楽しくわかりやすく書かれているのが、『うめぼし』です。
 まず表紙のうめぼしの写真。みているだけで口の中が酸っぱくなってきます。
 ページを開けば、満開の梅の花や木の写真が目に飛び込んできます。その木になった梅を収穫し、梅干しを作る過程を、写真と文で丁寧に説明していきます。普段梅干しを食べている人でも、その漬け方は案外知らないのではないでしょうか。
 ページが進むにつれ、おいしそうな梅干しが出来上がっていきます。漬ける手順がとても丁寧に描かれていますので、この本を見て、自分で漬けることもできそうです。 土用干しを終えると、梅干しは出来上がり。ページの最後は、梅や梅酢を使った料理方法を紹介しています。
 しわしわになったまっかな梅干しは、どれも美味しそうだけど、やっぱり口の中は酸っぱくなります。保存食としても優れている梅干しを、ぜひ目で楽しんでください。そして、さむーい冬を、梅パワーで元気に過ごしましょう。
(へろへろ隊員 やまだ)